マスコミで政治家やその周辺の不祥事報道が連日続いていますが、私たちの生活に目を向けると、失業の増加、中小企業・地場産業の倒産、農産物の低価格化、商店街の衰退―21世紀に入って日本は「負の状態」をさまよっています。袋小路に入った小泉政権の「構造改革」はさらに私たち国民の不安を助長し、日本経済へのかつての「信頼」は内外において基本的に喪失したと言えます。

 20世紀が「経済的価値」主導の世紀―それは世紀末に拝金主義にまで高まった―とすれば、21世紀は「社会的価値」が優先する新しい福祉社会の世紀にならなければならないと思います。経済の低迷が必ずしも幸せの縮小ではないはずです。

 私たちは、人間的な住まい環境の持続、雇用と仕事の創出と確保、高齢者や障害者が助け合いと共に生活・労働のできる地域、保育・教育の保障、農林漁業・中小企業・地場産業の育成、むらおこし・まちづくり、公共団体との連携、若者の社会参加の動機付けなど、市民・住民による多様な活動を確かなものにする社会、すなわち、人々の「生活・生命の質」と「コミュニティの質」の双方を向上させていく社会を願っています。

 私たちは、市民・住民による「協同労働」のネットワークを大きく拡げ、このような福祉社会の創造に向かって大いに語り合いましょう。すでに、様々な地域において少なくない人たちが「経済的価値」主導ではなく、したたかにしなやかに生きようとする取り組みが進んでいます。「協同労働法」の法制化が日程に上りつつある今日、このネットワークの拡がりは21世紀の日本を鼓舞するものとなるに違いありません。

 多くの人たちが『いま協同を拓く2002全国集会』の意義と意味を理解され、この集会にご参加され、ご協力されるよう心から呼びかけるものです。

2002年5月吉日

呼びかけ人                 

中川雄一郎
大内 力 
菅野 正純
(明治大学教授・協同総合研究所理事長)
(東京大学名誉教授・日本高齢者生活協同組合連合会会長)
(日本労働者協同組合連合会理事長)
TOPページへ