開催主旨

 経済が成長すれば豊かな社会が到来する、問題の全てが解決される、と信じて突き進んできた私たちの社会。しかし、その前提・基盤が揺らいでいます。格差や孤立が広がり、自然環境や社会が壊される中で、大規模災害も多発し、いのちとくらしが脅かされ、人々は豊かさや幸せが実感できなくなっています。今私たちの社会は、近代の急激な工業化・都市化による成長の限界を前に、新たな時代の局面を迎えています。私たちはこれから、どのような社会を構想し創り出していくのか。どんな関係を結び合い、どんな価値を創造していくのか。そして、未来へと社会を引き継いでいくために、自分たちの手でこの社会を再構築していく時に来ています。

 1987年、静岡県伊東市において、「協同」の価値と可能性を展望する、「いま、「協同」を問うプレ集会」(全国協同集会)が開催されました。これを皮切りに、過去17回の全国集会が各地で開催され、「協同」を共通理念とする様々な市民が集い、実践を交流し、新しいつながりと行動を生み出してきました。

 18回目となる本集会は、神奈川の地で開催することになりました。この地は、近代や戦後の日本社会の歴史を象徴する多文化共生の地です。また歴史を紐解けば、日本の協同組合の源流ともいえる、二宮尊徳の報徳思想発祥の地でもあります。相互扶助の精神でくらしと地域を守る、「ともに生きる」社会を目指す先人の取り組みが息づく地であること、そして全国的にも先進的な神奈川県内の協同・連帯のパートナーシップが、これまで積み重ねてきた土台のうえに新たな発展段階を迎えている(2017年3月の神奈川県協同組合連絡協議会の発足、フードバンクかながわの設立、かながわ生活困窮者自立支援ネットワークの設立等)ことなどから、今回の全国集会の開催地に選びました。

 集会の企画・運営は、実行委員会を結成し定めていきますが、「持続可能な地域づくり」「協同・連帯のパートナーシップ」「協同労働の法制化とその活用」の3点をベースとし、全国からも先進事例を集め、協同による持続可能な地域づくりを全国レベルで交流する契機にできればと考えています。社会的困難が増すほどに、協同することの必要性が増す時代。

 私たちは、様々な社会的困難や課題解決のために、分野や専門の垣根を越えてつながり、人と自然、すべてのいのちが持続・循環し、協同・共生する社会づくりの実現に向けて、この神奈川の地で「いま、『協同』が創る 2019 全国集会 in Kanagawa」を開催・成功させ、全国に大きく発信していきたいと考えています。